「心理学評論」に論文が掲載されました

「心理学評論」に、以下の論文が掲載されました。

五十嵐祐 (2020). 孤独感と対人関係の再帰的な構築 心理学評論, 63 (4), 403-417.

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和文要約

孤独感への対処は現代社会における喫緊の課題であり、近年の研究では、孤独感の神経生理学的な側面が主に検討されてきた。一方で、孤独感は単なるネガティブ感情とは異なる複雑で複合的な心理的構成概念である。孤独感によって引き起こされる不適応的な認知や行動は、他者からの排除や孤立を招いてしまう。こうした負の連鎖を断ち切るには、社会的人ネットワークと孤独感のダイナミックな影響過程を、社会的情報処理の観点から検討することが重要となる。本論文では、孤独感の概念的特徴について紹介した後、二者関係や集団内関係の中で個人が孤独を感じる過程、社会的選択・影響のメカニズムと孤独感との関連、孤独感とソリテュードとの区別、孤独感への介入についてそれぞれ述べ、孤独感への対処として社会的な「場」を提供することの意義について議論する。

心理学評論

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