• アーカイブ

  • 五十嵐教授が「週刊読書人」に『孤独社会』の書評を寄稿しました

    五十嵐祐教授による小澤・デ・シルバ・慈子著『孤独社会』の書評が、「週刊読書人」2024年12月6日号に掲載されました。

    「週刊読書人」2024年12月6日号(目次)

    「孤独社会」(書籍)

    日本人間行動進化学会第17回大会で発表を行います

    2024年12月7日(土)~8日(日)に開催される日本人間行動進化学会第17回大会で,以下の発表を行います。

    【ポスターセッション1】

    • 原田 瑞穂・五十嵐 祐 (2024). 評価者の人数と利他行動に対する評価の推測 ―階層ベイズモデルによる検討―(12月7日 16:15~17:00)

    日本行動計量学会第52回大会で発表を行います

    2024年9月10日(火)~13日(金)に開催される日本行動計量学会第52回大会で,以下の発表を行います。

    【特別セッション 犯罪現象の行動計量1】

    • 佐名 龍太・五十嵐 祐 (2024). 日本における不審者の外見的特徴と言動:Web 上の大規模データを用いた検討(9月11日 13:00~15:00)

    “Nature Reviews Psychology”のResearch Highlightsで研究が紹介されました

    "Nature Reviews Psychology"のResearch Highlightsで、British Journal of Social Psychologyに掲載された以下の論文が紹介されました。

    Igarashi, T. (2024). Loneliness and socioemotional memory. British Journal of Social Psychology. https://doi.org/10.1111/bjso.12783​

    Research Highlights

    日本語による論文の紹介はこちら

    日本心理学会第88回大会で発表を行います

    2024年9月6日(金)~8日(日)に開催される日本心理学会第88回大会で,以下の発表を行います。

    【公募シンポジウム】

    • 伊藤 文人・柳澤 邦昭・豊島 彩・福光 甘斎・浦 光博・五十嵐 祐 (2024). 孤独・孤立の予防に基礎研究は貢献できるのか?:心理学・神経科学の可能性(9月7日15:50~17:30)
      ※五十嵐准教授が指定討論者を務めます。

    【一般研究発表】

    • 山田 怜生・光永 悠彦・五十嵐 祐 (2024). 潜在クラス分析による不注意回答者分類の試み:オンライン調査における検討(9月6日13:20~15:00)
    • 陳 佳玉・Bruno Toshio SUGANO・Alisa FRIK・Huy NGUYEN・五十嵐 祐・越前 功・笹原 和俊 (2024). 警告情報の提示が政治動画の共有行動に及ぼす影響:ディープフェイクの拡散抑止への示唆(9月6日15:30~17:10)
    • 五十嵐 祐・吉田 琢哉・平島 太郎 (2024). 孤独感はネットワーキング行動を促進するのか:確率的アクター志向モデルによる縦断的検討(9月7日11:10~12:50)
    • 平島 太郎・五十嵐 祐 (2024). 日本語版Imposing Memory Task(IMT-J)の開発 (3):項目タイプと次数を再分類した誤答率の分析(9月8日11:10~12:50)
    • 原田 瑞穂・五十嵐 祐 (2024). 利他行動に対する他者評価の推測:評価者数との関連から(9月8日15:30~17:10)

    日本社会心理学会第65回大会で発表を行います

    2024年8月31日(土)~9月1日(日)に開催される日本社会心理学会第65回大会で以下の発表を行います。

    【口頭発表】

    • 平島 太郎・五十嵐 祐 (2024). 最小相互作用を含むパーソナルネットワークと主観的幸福感との関連:最小相互作用の能動性・受動性に着目した探索的検討(8月31日9:45~11:00)
    • 五十嵐 祐・平島 太郎・吉田 琢哉 (2024). 認知的再評価と表出抑制が生み出すネットワークのダイナミックス:縦断データによる検討(8月31日16:15~17:15)
    • 原田 瑞穂・五十嵐 祐 (2024). 評価者数と間接互恵行動との関連―評価懸念に着目した検討―(8月31日16:15~17:15)

    【ポスター発表】

    • 山田 怜生・光永 悠彦・五十嵐 祐 (2024). フィードバックによる不注意回答抑制の試み―オンライン調査における検討―(8月31日9:30~11:00)

    “British Journal of Social Psychology”に孤独感と自伝的記憶に関する論文が掲載されました

    "British Journal of Social Psychology"に、以下の論文が掲載されました。

    Igarashi, T. (2024). Loneliness and socioemotional memory. British Journal of Social Psychology. https://doi.org/10.1111/bjso.12783​

    この論文では、孤独感が自伝的記憶に含まれる社会的なエピソードの想起に及ぼす影響を、4095人の日本人サンプルを対象に検討しました。

    従来の理論では、孤独感が社会的情報への過敏性や注意を促すことが知られていました。そのため、孤独感の高い人は、社会的なエピソードがポジティブかネガティブかにかかわらず、そうした情報に関する記憶を想起しやすいことが主張されていました(社会的情報の記憶バイアス)。ただし、孤独感による社会的情報の記憶バイアスは限られた少数のサンプルで得られたものであり、その一般化可能性についてはこれまで十分な検討がなされていませんでした。また、孤独感と強く相関する抑うつについては、ネガティブな情報への注意が強まることが広く知られており(ネガティブな記憶バイアス)、社会的情報の記憶バイアスはこの知見との整合性についても疑問が残るものでした。

    この論文では、4つのデータセットを用いて、自伝的記憶で想起される社会的なエピソードと、孤独感との関連を検討しました。実験では、参加者自身の経験したポジティブあるいはネガティブなエピソード、あるいは何もない平凡な一日のエピソードについて書いてもらうよう求めました。想起されたエピソードについては自然言語処理を行い、J-LIWC2015という辞書を用いて社会的な情報を分類しました。

    分析の結果、孤独感は、ポジティブなエピソード(下図:緑の点線)、および平凡な一日のエピソード(赤の点線)で想起された社会的情報の量とマイナスの相関を示していました。一方、ネガティブなエピソード(青の実線)については、孤独感との明確な関連はみられませんでした。このパターンは、抑うつや日常生活で経験するさまざまなライフイベントの経験頻度について統制した場合も同様でした。

    これらの結果は、孤独感の高まりが社会的情報の想起を無条件で促すわけではなく、むしろポジティブな社会的情報の想起を選択的に阻害している可能性を示しています。これは、抑うつでみられるパターンに部分的に類似したものです。また、ネガティブな社会的情報の想起は、孤独感の程度にかかわらず普遍的に見られました。このことは、ネガティブなエピソードが多くの場合に対人的な要素を含むことを意味し、これは抑うつにおけるネガティブな記憶バイアスとも異なる興味深い点です。

    本論文の知見は、孤独感の高い人における社会的情報の記憶バイアスの妥当性に疑問を投げかけるとともに、ネガティブな社会的エピソードの自発的な想起が、孤独感の高い人に特異的にみられるわけではないことを示しています。

    五十嵐研究室2023年度の業績一覧を公開しました

    2023年度の五十嵐研究室の業績は以下の通りです。

    論文(査読有)

    • Chen, J. & Igarashi, T. (2023). Unequal but not separate: Emergence of rich-poor cooperation in resource exchange. Asian Journal of Social Psychology, 26, 431-444. https://doi.org/10.1111/ajsp.12569

    • Zhao, X…. Igarashi, T., ... et al. (in press). Eighty years after Lewin: The role of familism and attachment style in social networks characteristics across 21 nations/areas. Journal of Social and Personal Relationships.

    書籍(翻訳・分担)

    • 五十嵐祐 (2024). 第8章 対人コミュニケーションのダイナミックス 中谷素之・平石賢二・高井次郎(編)学び・育ち・支えの心理学:これからの教育と社会のために 名古屋大学出版会

    • Menczer, F., Fortunato, S., & Davis, C. A. (2020). A first course in network science. Cambridge University Press. (笹原和俊(監訳)・五十嵐祐・小林照義・瀧川裕貴・橋本康弘・藤原直哉・宮下修人・村瀬洋介 (2023). ネットワーク科学入門ーPythonで学ぶデータ分析とモデリング 丸善出版)

    学会発表(国際学会)

    • Igarashi, T., Mitsunaga, H., Hirashima, T., & Yoshida, T. (2023). The power of one-sided relationship: Mitigating loneliness through parasocial relationships with real and virtual figures. Paper presented at the Society for Ambulatory Assessment Conference 2023, Amsterdam, Netherlands.

    • Igarashi, T. (2023). Cognitive flexibility and empathy: Key factors in detecting and adapting to different norms. The 15th Biennial Asian Association of Social Psychology (AASP2023), Hong Kong China

    • Chen, J. & Igarashi, T. (2023). Individuating information and cross-class social selection. The 15th Biennial Asian Association of Social Psychology (AASP2023), Hong Kong China

    学会発表(国内学会)

    • 五十嵐祐 (2023). 知覚された関係流動性尺度の再検討:項目反応理論を用いて 日本社会心理学会第64回大会 (上智大学)

    • 五十嵐祐・光永悠彦・平島太郎・吉田琢哉 (2023). 孤独感と社会的空想 (2)–クラウドソーシングサンプルでの検討– 日本心理学会第87回大会 (神戸国際会議場 神戸国際展示場)

    • 平島太郎・五十嵐祐 (2023). メンタライジングとコミュニティ所属:パフォーマンス測定によるメンタライジング指標を用いた検討 日本社会心理学会第64回大会 (上智大学)

    • 伊藤文人・五十嵐祐・松尾崇史・ 髙島理沙・鈴木真介・橋本剛(2023). コミュニティー・シェッドを活用した高齢者の社会的孤立・孤独の一次予防–シチズンサポートプロジェクトにおける心理学・脳科学のあり方– 日本心理学会第87回大会 (神戸国際会議場 神戸国際展示場)

    • 佐名龍太・五十嵐祐 (2023). 日本における犯罪者ステレオタイプの様態–罪種によるステレオタイプの違いに関する検討– 日本心理学会第87回大会 (神戸国際会議場 神戸国際展示場)

    • 陳佳玉・五十嵐祐 (2023). 利他的動機が個人の情報拡散の傾向に与える影響 日本心理学会第87回大会 (神戸国際会議場 神戸国際展示場)

    • 山田怜生・五十嵐祐・光永悠彦 (2023). オンライン調査におけるCareless Responding の抑制 ―調査実施者の非人間化の抑制を通じたキャラクターの効果の検討― 日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会 (高知工科大学)

    • 足立吉規・五十嵐祐 (2023). 好奇心と見知らぬ他者についての情報探索行動に関する実験的検討 日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会 (高知工科大学)

    • 原田瑞穂・五十嵐祐 (2023). 集団人数と間接互恵行動 ―評価懸念に着目した検討― 日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会 (高知工科大学)

    • 原田慎也・五十嵐祐 (2023). 精神疾患に対するパブリックスティグマの軽減方略:拡張接触仮説に基づく検討 日本健康心理学会第36回大会(神奈川大学)

    • 佐名龍太・五十嵐祐 (2023). 犯罪者ステレオタイプが確率判断に及ぼす影響―連言錯誤課題を用いた検討― 日本法科学技術学会第29回学術集会 (アートホテル日暮里 ラングウッド)

    • 陳佳玉・Gamage, D.・春山マシュー・五十嵐祐・笹原和俊 (2024). The Impacts of Learning Interventions on Sharing Deepfakes. 第3回計算社会科学会大会(CSSJ2024)(大阪大学)

    陳佳玉が博士号取得

    五十嵐研究室出身の陳佳玉(東京工業大学)が博士(心理学)の学位を取得しました。

    陳さんの今後のご活躍をお祈りしています。

    日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会で発表を行います

    2023年9月23日(土)~24日(日)に開催される日本グループ・ダイナミックス学会第69回大会で、以下の発表を行います。

    【ショートスピーチ】

    山田 怜生・五十嵐祐・光永 悠彦 (2023). オンライン調査におけるCareless Responding の抑制 ―調査実施者の非人間化の抑制を通じたキャラクターの効果の検討―(9月24日 15:00~15:15)

    【ポスター】

    足立 吉規・五十嵐祐 (2023). 好奇心と見知らぬ他者についての情報探索行動に関する実験的検討(9月24日 09:15~10:15)

    原田 瑞穂・五十嵐祐 (2023). 集団人数と間接互恵行動 ―評価懸念に着目した検討―(9月24日 10:15~11:15)