「心理学研究」への論文掲載が決定しました

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「心理学研究」に、以下の論文が掲載されました。

加藤仁・五十嵐祐 (2016). 自己愛傾向と自尊心がゲームへの没入傾向に及ぼす影響 心理学研究,87,1-11.

和文要約

社会問題として関心を集めているソーシャルゲームへの没入の背景には,自己愛傾向の高さがある。自己愛傾向の高い個人は,目標の達成・獲得および他者との比較・競争に基づく自己高揚に動機づけられているため,ソーシャルゲームに没入しやすいことが予測される。本研究では,自己愛傾向が,ゲーム内の目標に対する動機づけを介して,ゲームへの没入傾向を高めると予測し,大規模多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)との比較検討を行った。

その結果,自尊心は,ゲームへの没入を抑制する一方で,自己愛傾向は,ゲーム内の目標に対する動機づけを介して,ゲームへの没入を促進していた。また,MMORPGと比較して,ソーシャルゲームでは,ゲーム内の目標に対する動機づけを介した自己愛傾向の影響が強くみられた。

ここから,MMORPGと比較して,ソーシャルゲームのもたらす環境は,他者からの受容を求める自尊心の高い個人にとってではなく,他者との比較に動機づけられる自己愛傾向の高い個人にとって,強いインセンティブとなっていることが明らかとなった。

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