「社会心理学研究」への論文掲載が決定しました

「社会心理学研究」に、以下の論文が掲載される予定です。

佐藤有紀・五十嵐祐 (2017). 制御焦点と向社会性:囚人のジレンマ課題を用いた検討 社会心理学研究, 33, 93-100. PDF

和文要約

本研究は、社会的ジレンマ状況において、制御焦点が協力への選好および向社会性に及ぼす影響を検討した。実験参加者は制御焦点の操作を受けた後、伝統的な囚人のジレンマのシナリオにおいて、協力(黙秘)もしくは非協力(自白)を選択した。この意思決定は、仮想的パートナーの選択がわからない同時手番と、パートナーの選択が明らかになっている逐次手番の2通りの状況においてなされた。分析の結果、予防焦点群の参加者は、促進焦点群や統制群の参加者と比べて、同時手番での非協力率が高く、逐次手番では相手の選択に関わらず一貫して非協力を選択する割合が高かった。これらの結果は、社会的ジレンマ状況において、予防焦点が協力への選好を減退させ、利己的な意思決定を駆動することを示すものである。

社会心理学研究

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