情文カフェ(第30回)で五十嵐准教授がスピーカーを務めます
五十嵐准教授が、名古屋大学情報文化学部の「情文カフェ」(第30回)でスピーカーを務めます。
日時:2016年2月24日(水) 18時00分より
場所:情報文化学部棟(全学教育棟北側)2階 Phonon
スピーカー:五十嵐 祐 准教授(教育発達科学研究科)
タイトル:社会的ネットワークを理解する
概要: 社会的動物である人間は、つながり、すなわち社会的ネットワークを基盤として集団を構築することで、さまざまな問題に対処してきました。人間は、安心をもたらす同質で閉じたつながりを求める普遍的な「こころ」の性質をもちます。その一方で、個人や社会、集団にとって大きな利益をもたらすのは、「効果性」の高いつながり、すなわち、異質性が高く、新しい機会を提供し、効率的な情報伝達をうながす開かれたつながりです。しかし、こうしたつながりは必ずしもネットワーク内で普遍的にみられるわけではありません。また、効果性の高い社会的ネットワークの構造は、集団の階層化や特定の個人への勢力の集中をもたらし、集団成員の平等や公正をおびやかす可能性もあります。このように、効果性の高いつながりを形成することが、人間のどういった「こころ」の性質に根差しているのかについては、多くの議論が残されています。今回は、他者一般への信頼、自己愛傾向、ネットワーキングの動機づけといった、さまざまな「こころ」の性質が、社会的ネットワークの構造をいかにして規定するのかを紹介します。