「心理学研究」への論文掲載が決定しました

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「心理学研究」に、以下の論文が掲載される予定です。

白木優馬・五十嵐祐 (印刷中). 向社会的行動の受け手の感謝および負債感を喚起する要因の検討 心理学研究.

和文要約

本研究は,二つの行動実験を通じて,向社会的行動の価値が感謝を喚起し,コストが負債感を喚起するプロセスを検討した。その際,態度測定にまつわる社会的望ましさの影響を排除するため,感謝に関連する行動として間接互恵行為を,感謝と負債感に共通する行動として直接互恵行為を位置づけ,それぞれの感情を喚起した後に観察される実際の行動傾向を測定した。研究1では,参加者119名に対して,過去に友人から受けた向社会的行動について,価値・コスト・状況(統制群)のいずれかを強調して記述するよう求めた。その結果,コスト強調群に比べて,価値強調群では強い感謝が喚起しており,間接互恵行為としての実験者への向社会的行動が促進されていた。一方,負債感には群間で有意な差がみられなかった。研究2では,参加者59名に対して,価値とコストを操作したプレゼントが架空の人物から贈られた。分析の結果,価値の操作は,感謝と間接互恵行為としての募金行為を促進し,いずれの操作も,直接互恵行為としての架空の人物に対する返報を促進していた。

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