博士前期課程の早川美歩が2018年度日本社会心理学会若手研究者奨励賞を受賞
博士前期課程の早川美歩が2018年度日本社会心理学会若手研究者奨励賞を受賞しました。
受賞者:早川美歩(M1)
受賞題目:他者の身体を纏えば心も染まるか:VR による 身体所有感の喚起が利他行動に及ぼす影響
要約:本研究では、他者の身体を所有しているような錯覚(身体所有感)が、個人的苦痛と利他行動にどのような影響を与えるかを、Virtual Reality (VR)を用いて検討する。個人は、親密な他者や共通性を見出した他者に対して、自他の境界を曖昧に認知する自他統合の感覚を抱く。自他統合は、自己と他者の心理的反応の類似性を生み出し、援助行動を促進する(Lang et al., 2017)。さらに、自他統合は身体所有感によって生じることが報告されている(Maister et al., 2015)。そこで本研究では、VRを用いて個人に仮想ターゲットへの身体所有感を喚起させ、ターゲットが身体的痛みを感じている写真を見てどの程度痛みを知覚するか(個人的苦痛)、またターゲットが不平等な分配の受け手となった場合、分配の決定者に対して第三者罰を与えるか(利他行動)を検討する。本研究では、VRを用いた共感性や利他行動のメカニズムの解明と、自己との類似度・関連性が低い他者への理解の促進を目指す。