お知らせ
博士前期課程の早川美歩が2018年度日本社会心理学会若手研究者奨励賞を受賞
博士前期課程の早川美歩が2018年度日本社会心理学会若手研究者奨励賞を受賞しました。
受賞者:早川美歩(M1)
受賞題目:他者の身体を纏えば心も染まるか:VR による 身体所有感の喚起が利他行動に及ぼす影響
要約:本研究では、他者の身体を所有しているような錯覚(身体所有感)が、個人的苦痛と利他行動にどのような影響を与えるかを、Virtual Reality (VR)を用いて検討する。個人は、親密な他者や共通性を見出した他者に対して、自他の境界を曖昧に認知する自他統合の感覚を抱く。自他統合は、自己と他者の心理的反応の類似性を生み出し、援助行動を促進する(Lang et al., 2017)。さらに、自他統合は身体所有感によって生じることが報告されている(Maister et al., 2015)。そこで本研究では、VRを用いて個人に仮想ターゲットへの身体所有感を喚起させ、ターゲットが身体的痛みを感じている写真を見てどの程度痛みを知覚するか(個人的苦痛)、またターゲットが不平等な分配の受け手となった場合、分配の決定者に対して第三者罰を与えるか(利他行動)を検討する。本研究では、VRを用いた共感性や利他行動のメカニズムの解明と、自己との類似度・関連性が低い他者への理解の促進を目指す。
この記事へのリンク | 2018-12-15
「デジタルプラクティス」に招待論文が掲載されました
「デジタルプラクティス」に、以下の招待論文が掲載されました。クラウドソーシングを用いた心理学のデータ収集に関する総説論文です。
白木優馬・五十嵐祐 (2018). クラウドソーシングを利用したアンケートデータ収集のノウハウと課題 デジタルプラクティス, 36. https://www.ipsj.or.jp/dp/contents/publication/36/S0904-S06.html
概要:
近年、クラウドソーシングを用いて、大規模なサンプルを対象としてアンケートを配布する研究が活発に行われている.本稿では、クラウドソーシングを用いたアンケートデータ収集のメリットについてまとめたのち、筆者らのこれまで実践において直面してきた課題について紹介する.さらに、データの信頼性の担保やワーカへの倫理的配慮といった具体的な課題への対応に関するノウハウとともに、クラウドソーシングの利用にともなう各種の注意点についても紹介する.
この記事へのリンク | 2018-11-12
2018年度・第3回名古屋社会心理学研究会のお知らせ(12月1日)
2018年度第3回名古屋社会心理学研究会(NSP)を以下の通り開催します。発表者はCurtin University・国際交流基金フェローの浜村武氏です。
本研究会への参加は無料であり、どなたでも自由にご参加いただけます。また、事前連絡も必要ありません。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
日時
2018年12月1日(土)15:00-17:00
場所
名古屋大学教育学部 第三講義室
発表者
浜村武氏(Curtin University・国際交流基金フェロー)
タイトル
ビッグデータと社会・文化心理学
概要
ビッグデータの分析は、膨大なデータを駆使することで既存の研究活動を活発化させ、さらには従来の社会科学の研究手法では難しかった研究課題を可能としうる。ビッグデータ分析そしてデータサイエンスの発展は、社会・文化心理学の研究にどのような効用をもたらすのであろうか。このプレゼンテーションではまずビッグデータを用いた社会・文化心理学の代表的な研究事例をレビュー。そして文化心理学の中でも特に文化の変遷の研究におけるビッグデータの分析の効用について、我々が行なっている研究を例として詳しく考察する。具体的にはビッグデータを用い集団間関係の変遷(研究1)そしてanxietyの長期的な変遷(研究2)を分析する試みをご紹介する。
この記事へのリンク | 2018-11-6
2018年度・第2回名古屋社会心理学研究会のお知らせ(10月13日)
2018年度第2回名古屋社会心理学研究会(NSP)を以下の通り開催します。発表者は名古屋大学教育基盤連携本部の寺嶌裕登氏です。
本研究会への参加は無料であり、どなたでも自由にご参加いただけます。また、事前連絡も必要ありません。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
日時
2018年10月13日(土)15:00-17:00
場所
名古屋大学教育学部2F E・F演習室
発表者
寺嶌裕登 氏(名古屋大学教育基盤連携本部)
タイトル
心理的な脅威としての不確実性の認知とそれに対する自己防衛
概要
ある人が、物事を理解したり、意思決定をしたりするときに十分な情報が得られないと、その人は確信できない曖昧な感覚、すなわち不確実性を感じます。しかし、あらゆる不確実性が同じようなものとして認知されるわけではありません。くじを引くときの結果に関する不確実性は楽しいものですが、その一方で、悲観的な人は自分の将来に関する不確実性を考えると、気が滅入ることでしょう。また、道行く赤の他人の情報が不足していたとしても、気にも止まりません。以上のように、不確実性に下位分類が存在することを踏まえ、これまでの研究では、不確実性を、単に情報の不足として認知される情報的不確実性と、心理的な脅威として認知される不確実性脅威に大別することが提案されています (Van den Bos & Lind, 2013)。 本発表では、不確実性の中でも主に自己概念に関する不確実性や人間関係に関する不確実性などを取り上げ、これらの不確実性が不確実性脅威として認知される条件について検討した研究について紹介します。また、不確実性脅威から引き起こされる自己防衛的反応についても紹介します。そして、以上の研究から、集団主義文化の理解に関して得られる示唆について論じます。
この記事へのリンク | 2018-9-13
博士前期課程の早川美歩がThe 20th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology (SPSP2019) でTravel Awardを受賞
(image from http://meeting.spsp.org/)
博士前期課程の早川美歩がThe 20th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology (SPSP2019) でTravel Awardを受賞しました。
受賞者:早川美歩(M1) ※共著者:平島太郎・五十嵐祐
受賞学会:The 20th Annual Meeting of the Society for Personality and Social Psychology(2019年2月7日~9日開催 於:Portland, Oregon)
受賞名:Graduate Travel Award
発表題目:Thinking in others’ shoes helps reading their minds: Embodied cognition promotes reading facial expression of emotion
この記事へのリンク | 2018-9-8